【オフィシャルインタビュー Vol.5 『「VLACK APRIL」feat.久我新悟』】
4月19日(水)に発売となるNEW SINGLE「VLACK APRIL」を様々な観点から語った久我新悟のオフィシャルインタビューを公開!
―NEW SINGLE「VLACK APRIL」の構想はどの時期からあったのでしょうか?
久我新悟: 記憶している限りだと前作「発明」が出来上がりそうな頃に構想は考えていたと思います。大体いつもその時に作っている作品のレコーディングが終わって、MIX&マスタリングに入る頃に次のことをぼんやりと考えているので。でも本当は2作、3作先くらいまでは余裕を持って考えておきたいです(笑)。
―前作「発明」の発売から今作「VLACK APRIL」を作り上げるまでに、なにか心境や意識の変化はありましたか?
久我新悟: 1つの作品を作り上げる時、自分達の「作品に対する責任感」が増したと思います。
―「VLACK APRIL」のレコーディングにおいて、苦労した部分や、特に拘った部分を教えてください。
久我新悟: 「発明」のMIXが今でも結構気に入っていて...「発明」はパッと聴いた時にキンキンで刺々しい感じでMIXをしました。LIPHLICHの音源に丁度いい音質みたいな感覚を掴めたような気がしています。「発明」はデジタル色もあったのでそのキンキン感がちょうど良い部分もあったんですが、今作はデジタル色はないので「発明」のキンキン感...キンキン感で伝わります?(笑)。それを10として7~8でやって欲しいとエンジニアの方に伝えてMIXしました。今作のMIXが1番気に入っています。ギターの音色にも拘りたかったのでレコーディング環境をちょっと変えてみたりもしました。それとMVの構想だったりアートワークだったり、今までも自分のイメージを伝えて各方面からアイデアをいただいたりして作り上げていくということはしていますが、今作はもっと拘って「このシーンではこういうカット、何秒ではこういうシーン、Aメロはこうで、ここで○○○で○○○を入れて...」とかなり細かく作りました。まだMVの情報も出ていないので、内容について多くは言えませんが、自分の中でちょっと考え方が変わる事があったんです。
―何があったのでしょうか。
久我新悟: 僕は今まで自分が好きな作品というものは沢山あってもそれを作った人にまで興味を持つことはほとんどありませんでした。タッキーでいうとティムバートン作品が好きで、ティムバートン本人も好き。ティムバートン展とか行きたくなっちゃう。でも僕は作品だけが好きでそこまで興味が向かない。ずっとそんな感じだったんですが、なんでか分からないけど最近は作っている方にも興味を持つようになりました。そこで元々作品が好きなスタンリーキューブリックという映画監督のことをアレコレ調べて、監督になる前はどんなことをしていたかとか、生前残した言葉とか、作品に対する向き合い方はどんな感じだったのか、スパルタ過ぎてどこどこの女優に嫌われていたとか(笑)。そんな感じで色々と興味深くその人のことを知りたくなって、それで単純に「映画監督ハンパネー!」ってなりまして(笑)。
しかもそれと重なって、映画監督をされている方と話をする機会があって、そこでも色々と刺激になることを教えていただいたんです。1本2時間ほどの作品にかける情熱、苦労、楽しみ、のしかかるアクシデント、役者の魅力を引き出すこと、こだわり抜いた音楽、全てを掌握する力。で、また単純に「ハンパネー!」ってなりまして(笑)。要するに自分の作品に対する責任感が半端ないんです。自分達もあるつもりでしたが比べるとまだまだだなぁと。それで自分達の作品に対する責任感みたいなものがちょっと変わりました。
―先程変化があったとおっしゃっていた「責任感」ですね。
久我新悟: 自分の出来ないことは出来る人にお願いする、というのは何をするにしても当たり前ですし、それが誰かと何かを作りあげることです。その中で僕らはLIPHLICHという4人のチーム。それ以外は僕らのできない部分をサポートして協力してくださる方々。そう考えた時にもっと自分で手がけられる部分は手がけようと感じました。そうしたら今まで以上にもっと納得のできる作品ができるんじゃないかなと。人にはそれぞれ色というものがあるので、カメラマンにもその人の色があるし、監督にもあるし、デザイナーにもあるし、エンジニアにもあるし。
そこで良い相乗効果があって素晴らしいものができたらそれでOK、最高。でも自分達がいる環境、「ヴィジュアル系」という世界が飽和しているような気がずっとしているので、LIPHLICHの個性やLIPHLICHのやりたいことをもっと明確に形にするには今よりも更に自分でやる必要性を感じたということです。あとは単純に自分でやってみたかったっていうものあるんですけど(笑)。なので、MVも含めて楽しみに待っていてください。ジャケットもシルエットの部分は自分で描いてそのままスキャンしてやってもらったので自分の手描きをそのまま使ったのは初めてでした。色々大変だったけど楽しかったです。
―今作のテーマは「暴力」とのことですが、そのテーマに行き着いた理由を教えてください。
久我新悟: 前作「発明」が完成するくらいの時に漠然と次の作品はダークにしたいなと思っていました。ただ、ダークといってもそれは暗い雰囲気のコードを使った曲調のことなのか、それとも歌詞の内容がダークなのか、ダークにも色々あるのでそこまで深くは考えていませんでした。ダークというものだけがテーマではメンバーも僕自身もそこまで発展しなかったので、もうちょっと別のテーマが必要だなと感じて色々観たり、調べたり、フラフラしたり、上述したスタンリーキューブリックのこともあり、ふと「暴力」という言葉がしっくりきました。日本で生まれて生きている僕は、歌のある音楽で言いたいことなんて大まかにいうと数えられる程度しかないと思っていて、それは結局みんな愛だったり希望だったり、逆境に向かう意思だったり、それとは逆に絶望だったり、自分の状況の鬱憤を晴らすようなものだったり。
いつの時代も人間にある当たり前のことをその時代その時代で手を替え品を替え歌っているように思っています。単に不況だとJ-POPで明るい歌が増えるとか。人間が感じることなんて結局それくらいなもんなんだろうと良い意味で考えています。それを作品でいかに自分らしく表現するのが永遠のテーマであり人間賛歌なんじゃないかなと。そこではるか昔から人間が持っている捨てられないもの「暴力」をテーマにしました。「愛はみんなやってるし......よし、そうなりゃ逆に暴力だ!」簡単に言うとこんな感じ。
―「愛」とは真逆の「暴力」をご自身なりに追求して作り上げていこうと。
久我新悟: 興味深いもので暴力には人それぞれキャパシティがあって、よくあるハリウッドのアクション映画の銃撃戦で人が死ぬことにリアリティを感じる人は少ないと思いますが、年齢制限がつくような暴力描写が激しいものは受け入れられる人も苦手な人もいるでしょう。どっち同じものなのに。暴力はムナクソ悪い反面、工夫すると娯楽にもなり楽しめてしまう。それに限らず、いわゆる言葉の暴力も、○○ハラスメントも、他者に対してではない自傷行為も、知らない間に誰かを傷つけているということもあり、時代や国や環境が変わってもやっぱり人から切り離せないものなんだなーと。生きるか死ぬか、やるかやられるか、そんな状況になった時に自分はどうするか?とか中学生みたいなこと想像したり。「渉くん、バトルロワイヤルってあるじゃん?あれに渉くんが参加しなきゃいけなくなったらどうするー?」とかどうでもいい話をしたりしつつ。そんな具合に練り上げていって、色々な形の暴力を歌にしました。
―収録曲ごとのイメージを教えてください。
久我新悟: 「アルトラブラック」は娯楽的な暴力、「バナナ・スキンヘッド」は身も蓋もない暴力、「時に夢想者は」は精神的な面での暴力っていう感じです。暴力もまた、手を替え品を替え日常に潜んでいるのかもしれません。
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―最新ヴィジュアルについて、現時点では「シルエット」の状態ですが、答えられる範囲でイメージを教えてください。
久我新悟: 今回は作品のタイトルにも掛けて「真っ黒」。これまでで一番ダークです。
―4月23日(日)には梅田AKASOにて「VLACK APRIL #1」が、4月29日(土)には恵比寿LIQUIDROOMにて「VLACK APRIL #2」が開催されます。NEW SINGLEの発売と、公演を約一ヵ月後に控えた現在の心境をお聞かせ下さい。
久我新悟: 早く皆さんのもとに届けたいだけです!
―最後に、皆様へメッセージをお願いします。
久我新悟: 最後まで読んでくれてどうもありがとう。あれこれ長々と言いましたが、僕らのやっていることは娯楽なので単純に楽しんでもらえたらなによりです!気合い入れた作品とライブです。4月は頭から最後までLIPHLICHにご注目あれ。Enjoy VLACK APRIL!!貴方の4月、いただきに参上。
■2017年4月19日(水)/NEW SINGLE『VLACK APRIL』 Release!!
【タイトル】『VLACK APRIL(ブラックエイプリル)』
【発売日】 2017年4月19日(水)
【収録曲】
1.アルトラブラック
2.バナナ・スキンヘッド
3.時に夢想者は
【価格】¥1,620(tax in)
【品番】MSLP-043
■恵比寿LIQUIDROOM/梅田AKASOにて単独公演開催!
2017年4月23日(日) 梅田AKASO
LIPHLICH ONE MAN SHOW 『VLACK APRIL #1』
チケット/前売り¥4,000 当日¥4,500
開場 16:45/開演 17:30
(問)夢番地大阪06-6341-3525
http://www.liphlich.com/schedule/59487/
2017年4月29日(土) 恵比寿LIQUIDROOM
LIPHLICH ONE MAN SHOW 『VLACK APRIL#2』
チケット/前売り¥4,000 当日¥4,500
開場 16:45/開演 17:30
(問)DISK GARAGE 050-5533-0888
http://www.liphlich.com/schedule/59488/